介護と聞くと、「大変」「きつい」「いずれは。。。」「何をしたらいいのかわからない」と介護をしている人としていない人で抱くイメージは違うと思います。
その中でも介護している人が抱えている問題は、多種多様あり、置かれている立場も介護の内容も、人それぞれで全く同じというものはないと思います。
例えば、出産と一緒です。
出産は、生まれてくるまでの妊娠する過程での母子の健康から、出産スタイルも違っています。出産も出産の数だけ事例があり多様で対応が難しい。
なぜ「難しい」かというと、そう、答えがひとつでないからです。予測がつかないので、色々なケースを想定しておかないとなりません。
「介護」も一緒です。こういう病気の人はこれをすればいいとか、こういう怪我(例えば片麻痺など)の人にはこうするといいのだと一つの方法に決められないのです。
そして、立派に生きてきた人生における先輩であるため、そこには人間の尊厳を意識しなくてはなりません。そんな方々が何らかの理由で人の手を借りなくてはならなくなるので、そこには大きく気持ちが入りこちらのやり方をただやればいいということではなくなります。
人間は必ず歳をとります。遅かれ早かれ今の状態と同じではいられないのです。歳を取ったら若い動ける人がケアして当然と思う世の中になってほしいです。
そして、それと同様にやってもらっていいんだとちゃんと甘えられるように介護される側も思うことができたらいいなと思います。
人生の先輩は経験値が高いので、たくさんのことを教えていただけます。ご本人に教えていただくこともありますが、昨日より今日の自分のやり方を変えながら仕事の成長を自分で感じられるそんな仕事なんです。
もちろん命に関わる事になるようなケアもあり緊張感ビンビンのこともありますが、そこは生死を近くに感じ生命のありがたさを感じながらでき、自分の人生観が変わりました。
介護士になるためには初めに専門の学校にいきます。そこでは、自分の死生観を話し合う授業がありました。実技も介護の専門的な勉強はともかく私はこの死生観をグループで発表しあった体験が一番印象に残っています。
なぜなら、そんなこと考えて生活していなかったからです。父を20代の時に亡くしているので、死というものは割と早いうちに身近で悲しいこととして体感していましたが、今現在健康なうちに自分の死を意識したことがなかったからでしょう。
そこから考えがガラッと一転。
この死生観授業は中学生くらいからやるべき。そして、介護の現場実習体験もしくは見学もしたほうがいいと思います。
子供を出産してしばらくの育児で、ご飯食べて、うんちして、ご飯食べて、吐いて、部屋の中が色々と片付かずごっちゃごちゃになっていた時、母が、「味噌もクソも一緒。」と言ってました。
とおっしゃった先生がいらしゃいました。これは、精神的なのではなくできなくなることが多くなってきて、最後には寝たきりになる。赤ちゃんが寝たきりだったでしょうと言われたのです。
人間はゆっくりできることを増やして緩やかなカーブで上がっていって、ある程度まで来たら、できないことがひとつずつ増えていってゆるーいカーブで0に近づく。そんなイメージです。
その言葉はすでに実母の介護をしていて、自分のやり方でやっていたので、思うようにできずに悩みひとりで苦しんでいたわたしは、この時に稲妻走りました。
なんかとってもしっくり入ってきたのです。
その時から、母の介護が全く苦にならず、むしろそーかそーか今はまだここはできているとプラスに捉えることもできたのです。
そうして、無事に介護職に付き、3年。昨年には介護福祉士の国家試験も合格。まだまだ未知の分野でもあるので、いっぱい貢献できたらと思っています。
今辛いと思われている人には、少しでも救いに、これから介護するだろうって人には少しでもタメになれば嬉しいです。
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